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【法律】改正著作権法施行・・・
 元旦の早朝から、暗いニュースで申し訳ありません。改正著作権法が今日から施行されます。そのことについて、少し書きます。
 ***

 ネットのコメント見てると、改正著作権法への質問ばっかりで、知っている人はほとんどおらず、要するに、全然内容が知られていないようです。また、「自分は関係ないだろう」という人が多くて、「無関心は独裁の始まり」という言葉が思い浮かんでしまいました。民主党政権になっても、まだこんな簡単なことに気付かないのでしょうか。

 メディアの発表を見ていると、「世間への配慮もある」みたいな擁護報道ばかりで、うんざりしてしまいます。特に噴飯物なのが「いきなり訴訟をせず、まずは警告から始めるよう、業界に指導する」などという文化庁の発表です。これにはいくらでも突っ込めます。
 まず、文化庁の審議会に集められる利権団体には、大抵、文化庁の役人が天下っています。要するに、各種利権団体には文化庁の先輩たちがおり、文化庁の役人もゆくゆくはそこに天下りたいので、文化庁はむしろ、業界団体から指導されるほうなのです。だから彼らがそう発表するということは、利権団体にそう言わされているということにすぎません。「指導する」なんて笑ってしまいます。
 それに、本気で訴訟を回避したいなら、まずは警告せよという法律を作ればいいんです。それをやってからでないと、訴訟を起こしてはいけませんよと、緊急の場合等の例外を定めた法律を作ればいい。それを法律は作らず、何の法的拘束力もない文化庁の行政指導で済ませるということは、やろうと思えばいつでもいきなり訴訟を起こせる体制を残したということです。これはどういうことかと言うと、文化庁が影響力を持たない個人の著作者や、利権団体に属さない企業が、ダウンロード行為に対して独自の調査を行い、いきなり訴訟を起こすことには、何の歯止めも効いていないということなのです。彼らが訴訟戦術に出る可能性は十分にあります。
 そして最悪なのが、「警告」の意味が徹底されていないことです。おそらくほとんどの人は「警告」と聞くと、「あなたのやっていることは著作権侵害行為なので、やめてください。やめないと訴訟を起こしますよ」というようなメールを想像すると思うのですが、事実は異なり、たとえば自分の作ったホームページ上に、ネットで拾った芸能人の画像を表示していた場合、所属する芸能事務所から送られてくる警告というのは、次のようなものです。

 「あなたのやっていることは著作権侵害ですので、ただちに金80万円を次の銀行口座に振り込んでください。振り込んでいただけない場合は、損害賠償を求めて訴訟を起こします」

 これが今までにも実際にあった「警告」です。この「警告」が今日からは、その画像を右クリックで自分のHDDにダウンロードした人のところへも行く可能性があるわけです。要するに、この「警告」というのは、裁判をチラつかせて高額な示談金をせしめようとする「脅迫状」なのです。これは法律上は何の問題もない文章ですが、たとえば裁判をしていれば5万円くらいで済むのに、裁判が怖くて80万円で示談してしまった、というような例が出てくる可能性は十分に考えられます。これを覆すのは至難の業で、まず示談金は返ってこないでしょう。不当利得返還請求も、払ってしまった金額がよっぽど無茶苦茶でない限り難しい。
 何より一番怖いのは振り込め詐欺でしょうね。これは示談しても違法行為だから、後で取り返せばいい、裁判になっても、向こうは犯罪者なので負けるはずはない・・・と思うかもしれませんが、実は民事裁判は弁論主義といって、裁判所は一切捜査をしません。当事者の主張と、当事者が提出した証拠にのみ基づいて判決を出します。そのため、たとえば大阪にいる悪徳業者が、東京にいるあなたに「警告」メールを出したうえで、著作権侵害で実際に民事訴訟を起こしたとしましょう。あなたは「警告」メールを見て、それが偽の権利者であると見抜き、放っておきました。すると大阪で実際に裁判が始まるわけですが、あなたは偽の権利者が裁判なんか起こしたって意味はないと思い、わざわざ大阪になんて行きません。その結果どうなるかというと、大阪の法廷では業者だけが主張と証拠の提出を行い、あなたが反論しないので、業者の主張と証拠が認められて、あなたに「著作権侵害に基づいて、この業者に○○万円支払え」という判決が出てしまうのです。この判決は本物ですから、これを出されると、大抵の人はその業者が本物だと思い、お金を払ってしまいます。最悪の場合、強制執行されて、財産が持ち去られてしまう場合もあります。これも一応は法にのっとった手続きなので、振り込め詐欺でこの手口はよく使われ、多くの人が実際に騙されています。裁判所までが騙されて、あなたの財産を差し押さえるというこの現実をひっくり返すには、自分から「この業者は、本当は著作権を持っていない偽の権利者だ」という裁判を起こす必要があるわけですが、払ったお金が弁護士等の費用と比べて大差なければ、泣き寝入りする人も多いわけです。実際、それくらいの金額を狙って請求してくるわけですね。悪い奴というのは、悪いことをする限りにおいて、どこまでも頭が切れるものです。

 こんな風に、改正著作権法には色々と問題があるわけです。そしてその問題に関して、事前の対策が全くと言っていいほど考えられていないので、おそらく何人もの犠牲者が出るでしょう。そうして犠牲者が出てからまた何年かして、おもむろに法律を作るわけです。私はダウンロード違法化そのものには反対しませんが、このようにダウンロード違法化に伴なう様々な危険について何の手当も行わないまま、とりあえずダウンロードだけ違法化しとこう・・・というこの一般国民の利益を考えない杜撰な法設計は、明らかに問題だと考えます。ここまでやっても責任を問われないのですから、官僚や政治家というのは気楽な商売です。

 新年早々申し訳ありませんが、これだけはどうしても言っておきたかったのでw
 以上、失礼しました。
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