iM@S架空戦記を中心としたニコマスの感想サイトです。

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

著作権法豆知識 第四回 著作者人格権
やっと、MADに関係のある話ができますね(感涙)!
第四回は、著作者人格権についてです。
 第二回でお話したように、著作権は、著作者人格権と、著作財産権からなります。
 その二つのうち、今日は著作者の人格=精神面を保護する、著作者人格権について見てみましょう。

 ***

 著作者人格権はさらに細かく分類すると、公表権氏名表示権同一性保持権からなります。
 いきなり三つも用語が出てきて面食らったかもしれませんが、最初の二つはMADにあまり関係がないので、サラッと流しますから大丈夫です。
 順番に見ていきましょう。

<1.公表権
 これは、作品を公開するかしないか、また公表するならいつするか、などは、作者だけが決めることができる、という権利です。
 たとえば作曲事務所に所属して作曲していたら、パソコンの中に入っていた黒歴史的な作品を、事務所が勝手にCDに焼いて売ってしまったとします。
 そんな時は、この公表権を盾に、「俺の人格が傷つけられたから、事務所はCDを回収せよ!」と命令することができるわけです。

<2.氏名表示権
 作品に氏名を表示するかしないかは、作者だけが決めることが出来る、という権利です。
 権利の名前は「氏名表示権」ですが、実は「氏名を表示しない権利」のほうが大事です。
 たとえば戦時中の日本などで、「全ての著作物には実名と住所を記載せよ」という命令が出たら、反体制的な言論や創作は根絶やしにされてしまいます。
 そういうことを防ぐために、この権利があるのです。

<3.同一性保持権
 やっと来ました。この権利を解説したら、この連載コラムは半分、役目を終えたも同じですw それぐらい、重要な権利です。
 これは端的に言えば、作者の作った著作物に、第三者が勝手に手を加えてはいけないという権利です。
 いかにも、MADがひっかかりそうな法律ですね。条文を確認してみましょう。

第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。


 変更・切除とはどういうものを言うのでしょうか?
 このブログでは、iM@S架空戦記を例に取ります。

 まず、架空戦記では、ゲーム画面からキャラクターを抜き出した、「抜き絵」とか「立ち絵」という素材が使われます。
 これは、ゲーム画面からキャラクター以外の背景を切り取ったものですから、切除にあたります。

 また、画像を加工して、キャラクターが特殊な服を着ているように見せたりする、いわゆる「コラ」はどうでしょう? こちらは、付け足したわけですから切除ではなく、変更にあたるわけです。

 どうでしょうか。iM@S架空戦記は、同一性保持権を侵害しまくってる! と思う方もいらっしゃるかもしれません。
 しかし、話はそれほど単純ではないのです。
 もう一度、条文を確認してみましょう。太字の部分に注目してみてください。

第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。


 「その意に反して」とあります。これらの改変は、著作者の意に反していればダメだというのです。
 これを裏から見るとどうなるでしょう? 要するに、全ての改変は、著作者の意に沿っていれば、OKということなのです。
 結局、全ての改変は、著作者が「いいよ」と言えば合法であり、著作者が「だめだ」といえば違法なのです。これは困りました。

 MADを作る側としては、ニコ動にアップロードする前に、「自分の作ったMADが同一性保持権を侵害しているかどうか、知りたい」という人も、多いと思います。
 しかし、制作したMAD作品を、私が見ようが、弁護士が見ようが、それが「同一性保持権を侵害しているかどうか」は、正確には分かりません
 「変態紳士的」な改変も、感動系の改変も、原作を宣伝するための改変も、原作を誹謗中傷するための改変も、全て、事前に違法かどうかは分かりません。それらが違法になるかどうかは、それを見た著作者の気分次第だからです。
 エッチな改変でも、かえって著作者が喜ぶ場合もあるでしょうし、「原作買おうぜ!」な改変でも、バンナムが「こういう宣伝方法はちょっと・・・」と言い出すかもしれません。
 だから結局、専門家でも「これはダメそう」「これは良さそう」程度のことしか言えないのです。

 しかし逆から見れば、何の知識もない人でも、ある程度の目星はつくということです。
 要するに、「著作者が怒らないような改変」に留めれば、同一性保持権を侵害する確率は、ぐっと低く抑えることができるのです。
 当り前の結論になってしまいますが、立ち絵を改変したり、ノーマルPVを切り貼りして独自のPVを作ったりする場合には、できるだけ著作者が怒らないようにしましょう。
 そうすることで、法的リスクを低く抑えることができます。

 ***

 「そんなオチかい!」と思うような結論だったかもしれません。
 しかし、立ち絵の改変そのものが違法であるわけではなく、それを著作者がどう取るかが全てだということは、豆知識として有用だと思います。
 そしてオーディション成功後のダンスを改変してPVを作ることも、著作者が問題ないと思う範囲であれば合法だと知っておくことは、MADを作る上で、力になるのではないでしょうか。

 著作者人格権については、もうちょっと語るべきことがあるのですが、それは次回お話します。
 お疲れ様でした。
スポンサーサイト

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 白雅雪blog. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。