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2009年下半期ニコマス二十選 推薦動画詳論 : アイドルマスター×三谷幸喜『ラヂオの時間』 第1幕
<注意>
 このエントリは特殊な形式に則って書かれていますので、
 「注意事項」のエントリに目を通した上で、以下の文章にお進みください。

 爽快P にぎりがくさいP
 

 視覚的な要素を重視した、新時代の架空戦記である。動画全体の監督でもあるシナリオ担当の爽快Pは、ニコマスのアルファブロガーを経てPV系のPとしてデビュー、「音」に対する独自の感性で個性的なPVを世に送り出しつつ、本作品で架空戦記にもデビューしたという異色の経歴の持ち主だ。この架空戦記ではPVの視覚性と舞台演劇の「空気」を架空戦記に持ち込み、新鮮なスタイルで我々架空戦記民を驚かせた。メイン画面にキャラのドットが映し出され、サブ画面にアイマスキャラの立ち絵で各キャラの表情が示されるのは、ておくれPの「アイマスクエスト?」を思い出すが、表情選択のセンスは全く異なり、比較的マメに表情を切り替えるのが上手く楽しいておくれPに対して、丁寧に表情を切り替えつつも、ここぞという時では「第三幕」1:22からの春香や、「第四幕」3:20からの雪歩など、長時間表情を固定して効果を出すという「必殺技」を持っているのが爽快Pだ。また糸冬Pと同じく曲の長回しを好むところがあり、長時間変わらない背景と、長時間変わらない音楽が、何とも不思議な雰囲気を醸し出している。先程から「長時間」という単語を連発しているが、それこそが爽快Pの持ち味なのであり、彼は瞬発的なギャグのキレや、シリアスなイベントの感動の破壊力で勝負するPではないように思う。極めてマクロな視点でシナリオとイベントを構成しているため、一見とっつきにくいようにも見えるが、腰をすえてじっくりと視聴すれば、本作が掬すべき滋味に溢れた名作であることがよく分かるだろう。また常に画面全体が「絵」としてバランスが取れているようにも感じるが、筆者に絵の素養があるわけではなく、これはPV出身のPであるという事前情報から来る先入観かもしれない。しかし、どこか淡い色合いの清潔な画面は、やはり作者特有の個性を感じるところである。
 ドット絵担当のにぎりがくさいPは、タクティクスオウガの「タクティクスオウガ風に アイドルマスター 「団結」」でよく知られる、ニコマスが誇る最高のドット絵師の一人だ。当初はあふれる表現欲で雪歩の穴掘りなどをド派手に演出してみせた(第二幕3:50から)し、本来それこそがにぎりがくさいPの持ち味なのだが、やがて抑制的な爽快Pの芸風に合わせて、「第四幕」では2:13からの通称「メットリレー」をやってみせた。通常、ドット絵を使って楽しい動きを表現するには大量のドット絵を打つ必要があるため、いわゆる「ドット芸」で大向こうを唸らせようと思ったら、どうしても短時間に集中してやることが多いように思う。しかしこの「メットリレー」では、長時間に渡って「ドット芸」の妙味と楽しさがずっと持続する。このシーンのドット絵を制作するうえで、どういうところが大変で、どういうところが簡単なのかは分からないが、通常「よく描いたなあ」という作者の「苦労」にのみ評価が集中しやすいドット芸の中で、ここまでドット絵師の努力よりも「ドットの動きそのもの」が評価され、驚かれ、感動される作品も少ないだろう。あくまでドット絵の素人からの視点だが、やはり第二幕の雪歩の穴掘りよりも、第四幕の「メットリレー」のほうが、爽快Pの芸風によりよく馴染み、また効果も上がっているように思う。このようににぎりがくさいPは、硬軟合わせ持つ芸の幅の広さを見せつけ、視聴者の「またドットで何かやってくれるのではないか」との期待に、見事に応え続けている。
 この架空戦記は「第一幕」から、形式や芸風そのものは爽快P、にぎりがくさいPの双方とも高いレベルにあったのだが、一話ごとに、話の進むテンポや、ドット芸とシナリオのバランスなどが、少しずつ噛みあっていく。しかもこの二人の技の交わりは、どこか互いに間合いを量り合っているようなクールさがある。仲良しグループが和気あいあいと作った作品とも、複数の人間が部品を持ち寄って作った作品とも違う。二人の個性はあくまで個として独立しており、融け合うようなことはないが、一方で作品は、単純な要素の総和を超える「+α」を見事に獲得している。ここには慣れ合いでも、単純な分業でもない、二人のドライな個性の対決があり、技を尽くし合う職人同士の駆け引きがある。
 今後さらに加速していくであろう物語の中で、才気溢れる両者がどのような美しい二重螺旋を描いてくれるのだろうか。一人のiM@S架空戦記ファンとして、この作品を二十選の一に推さざるを得ない。
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不思議な事にラヂオと別の作品だと
ドットの評価される部分が若干異なる事があります。
動作よりも印象的なポーズのほうがコメントをもらえたりして。

TOはゲームなので、アクションとアクションの間はニュートラル
(足踏みしている)状態に戻ることを前提として、「動作」に
主眼を置いて作るのですが、
ラヂオでは動作の後のニュートラルでない「ポーズ」に
重きを置くようになったかもしれません。
そういう意味では、メットはポーズとして分かりやすい絵ですね。
惜しいことしたかなあ…

>対決
時々画面のこっち側でも「ラヂオの時間」をやっているような錯覚がw
にぎりがくさいP | URL | 2010/04/15/Thu 03:41 [編集]
 にぎPこんにちは!

>動作よりも印象的なポーズのほうがコメントをもらえたりして。
 TOのドットはかなり小さいですからね。詰め込んでなんとか表現しようと頑張ってる感がいいんでしょうかw ドットだと、自然と装飾が削られてしまうのあるかもしれません。
 でも、よく考えたらニコ動になってから、やはり動画なので、ドットでアニメしようという気運が高まった気がします。そうするとTOっていうのは、SRPGとしては本当に動く方のゲームですね。いや、子供の時はそんなにすごいとは思ってなかったんですが、今見直してみると、こんなにすごいことやってたのかとw
 しかし、にぎPは背景もアニメも両方いけますからね。いや、素晴らしい技術と才能だと思います。是非大切にしてください。我々も大切にしますw

>ラヂオでは動作の後のニュートラルでない「ポーズ」に
 この話は難しいですね。能でも歩いては型をやって、また歩いては…を繰り返すので、何か近いものを感じます。歩きながら型をやることも当然ありますが…。
 でもやはり難しいので、今は記憶に残しておくに留めますw 適当なこと言って恥かきたくないのでw

>時々画面のこっち側でも「ラヂオの時間」をやっているような錯覚がw
 ちょ、問題発言www
 まあ、無責任なこと言うと、見てる方としては、その緊張感がいいわけですけどねw いや、ほんと視聴者ってのは勝手なもんですw
 でもラヂオは「複数で作ることの意味」が、他と比べて格段に高い作品だと思います。これからも(遠くから)応援し続けますので、是非頑張ってくださいw

 では、コメントありがとうございました!
gase2 | URL | 2010/04/15/Thu 18:29 [編集]
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