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著作権法豆知識 第七回 著作財産権・後編
こんにちは。
今日は翻案権についてお話します・・・が、その前に、第一回の復習から始めたいと思います。
<1.著作権法は、アイディアを保護しない
 第一回の後半を覚えていますか? 著作権法は、アイディアを保護しないというくだりです。
 忘れた人には第一回の後半を見直してもらうとして、今回は、それがキャラクターの著作権に及ぼす影響を見ていこうと思います。

<2.キャラクターとは、アイディアである
 さて、突然ですが、キャラクターとは、アイディアの束であるとみなすことができます。
 たとえば「天海春香」というキャラを説明するのに、どんな言葉を用いますか?
 私なら、次のような言葉を列挙するでしょう。

 ・普通の女の子っぽい
 ・歌が好き
 ・おっちょこちょいな所がある
 ・一見無個性に見えるが、そこがプレイヤーの想像力を揺さぶる

 などでしょうか。
 これらの特徴は、一つ一つ見る分には、どれも「普通の女の子のようなヒロイン」「歌が好きなヒロイン」といったように、アイディアでしかありません。
 ですから、結局キャラクターとはこのようなアイディアの束でしかなく、したがって、キャラクターそのものは、著作権法では保護されないのです。
 これが学説の見解です。

<3.キャラクターの絵は、表現である
 では、著作権法は、一体何を保護しているのでしょうか?
 それは、表現です。
 著作権法から、「著作物」について定義した条文を見てみましょう。

第二条一項 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。


 要するに、アイディアのレベルではダメだけれども、それが具体的な表現になれば、保護するというのです。
 この問題について話すと長くなるので、今日はあまり深く話しませんが、とりあえず、次の画像を見てください。
概念→表現
 四角いカッコの中の状態ではただのアイディアですが、画像に示されたような3Dポリゴン・イラスト・フィギュアでは、そのアイディアが、具体的な形となって表現されています。著作権法は、この表現を保護しているのです。

 以上から、キャラクターを使っただけの同人小説は、著作権を侵害しません
 また、キャラの顔グラ・立ち絵のない、文字だけの紙芝居も、著作権を侵害しません
 これらは、概念的な意味でのキャラクターしか使用していない、と考えられるからです。
 ですから紙芝居も、顔グラや立ち絵を使ってしまうと、侵害になります。
 同じく小説も、キャラの挿絵を入れると侵害です。
 概念・文字としてのキャラクターは保護されないが、絵やフィギュアとして表現されると保護される、ということを覚えておいてください。

<4.翻案権>
 さて、翻案権とは、この表現されたものをベースに、勝手に二次的著作物を創作することを禁止する権利です。
 二次的著作物とは言っても、我々がニコ動で使う「二次創作」よりも広い意味を持つ場合があり、たとえば翻訳・編曲・映画化なども「二次的著作物」にあたります。
 翻案というのは、分かりやすい言葉でいうと、アレンジですね。アレンジを加えることを禁止する権利なのです。

 我々が侵害しやすいのは、たとえばキャラクターの絵を描いてアップロードすることでしょうか。
 トレスや模写が複製権の侵害にあたることは既に述べましたが、では多くの人がpixivでやっているように、特に「元絵」を用いずにキャラクターの絵を描いた場合はどうなるでしょうか。これは翻案権の侵害になります。色々な公式の絵を元に、アレンジを加えたと判断されるわけですね。
 (これらは正確には公衆送信権の侵害ですが、ここでは分かりやすく書いています)

 ストーリーに関しては、とても微妙な問題になります。
 キャラの設定を引き継ぐぐらいなら、先述した「概念・アイディアとしてのキャラクター」を使っているだけであり、適法とみなされる可能性があります(立ち絵や背景素材の違法性は別問題です)。
 また、たとえばアイマスクエストのように、「765プロのアイドルたちが、異世界に放り込まれた」というような場合は、ギリギリ、キャラクターを使っているだけ・・・という解釈も可能かもしれません。

 なぜこんなふうに歯切れが悪いのかというと、翻案権については、「翻案とはこれだ」という客観的基準がなく、判例でも、裁判官の主観によるところが大きいという問題があるからです。
 ですからあまり確実なことは言えないのですが、アイドルマスターの続編を作るような場合は、明確に翻案権の侵害だと思われます。

 ***

 さて、これで著作権法の基礎は一通り説明し終わりましたので、このコラムも一区切りとします。皆さんお疲れ様でした。
 これまで結構短い間隔で連載してきましたが、ここからは応用になるので、一応不定期更新とします。後は、細かい問題や、時事問題、著作権法改正に向けての動きを、紹介していきたいと思います。次回はフェアユースでしょうか。

 では、今日は以上です。
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