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アイドルマスターデッドエンド #1 OV 後編
 無免許P
 

 随分と主人公が落ち着いてきて、読みやすくなりました。このシリーズについて、今までの私の感想は毎度のこと「いら立ち」が含まれてたと思いますが、やはり、世界の導入部分に関しては、ああしないといけなかったんでしょうね。
 こうして少し落ち着いたPが、静かな街を見渡したりすると、なんとも言えない、やるせない雰囲気、独特の雰囲気が出ます。真っ白な部屋のように、何もない、虚無。そんな感じのする作品世界です。小羊Pの「レプリカーレ」といい、なぜ輪廻をテーマとしてアイマス世界を再構成すると、こんな風に「無」を感じさせる作品が出てくるのでしょうか。やはり、それを可能にするのがデジタルという虚構だからでしょうか。あるいは永遠に回り続ける輪が、「無価値」を感じさせるからでしょうか。
 10:05からの、後ろ向きの雪歩。無免許Pは、この「長時間後ろ向きのキャラ」という表現をよく使います。これは怖いですね。「振り向いた雪歩は、雪歩じゃないかもしれない」という恐怖があります。それはこの作品自体の、テーマかもしれませんね。
 もちろん、この動画のアイドルたちは、誰一人として「キャラ崩壊」してません。しかし、だからこそ、怖いわけです。「演技をやめたアイドル」・・・そんなもの、誰も見たくないのかもしれません。結局、我々は仮面が好きなのであって、仮面の向こうにある人間が好きなわけではない。それを「人間を愛せなくなった現代人」と高い所から嘲笑するのは簡単ですが、能なんていう古典芸能の存在からも分かる通り、これは遠い昔からの、変わらぬ人間の「本性」です。

 法律に手形法という分野があって、この法律では、とにかく手形の外観を信じた人を保護します。手形の記載を信じて手形を買受けたのに、「手形には書いてないけど、実はこの手形は無効なんです。お金は払いません」と言われては、たまらないからです。そんなことがまかり通るようなら、手形を買う人は常に「この手形は本当に使えるだろうか」ということを、実際の人間関係まで調査せねばならず、そんな危険なものは誰も買いません。だから、実際の人間関係をある程度無視して、手形の記載に、その通りの効果を認めなければならないわけです。「100万円貰える」と手形に書いてあったら、その手形を入手した人は、100万円貰えなければいけない。
 ひるがえって、アイマスのキャラにも、そういう外観上の信頼があるわけです。雪歩はこういう人、春香はこういう人・・・雪歩や春香の立ち絵には、そういう信頼が化体されています。春香の立ち絵が出てきたら、そのキャラは一定の範囲、あるいは約束事を守ってくれるはずであり、その信頼は実際、ほとんどの場合、裏切られることがありません。
 しかし、この動画はその外観上の信頼に挑戦します。だから怖い。もちろん、この動画で「キャラ崩壊」なんてものはありません。どのキャラも、口調も、性格も、何もかも、実に公式の約束を守ります。この動画では、「100万円貰える」という手形を持っていったら、確かに100万円貰えるわけです。
 けれども、この動画では、我々は手にした100万円をしみじみと眺めながら、思うわけです。
 俺たちが欲しかったものは、本当に、これだったのかと。

 12:22では、ついに雪歩が振り向きます。誰もが思います。「さあ、これは雪歩じゃないぞ。雪歩じゃない。絶対に雪歩じゃないぞ」・・・しかし、どうでしょう。誰がどう見ても、振り向いたこのキャラは、これは雪歩です。「外観の信頼」は守られました。保護されました。けれども・・・この恐怖はどうでしょう? 振り向いた雪歩が血まみれで、金属バットでも持っていた方が、どんなに安心したことか。
 ここではもはや、外観の信頼は実質的に破壊されています。しかし、外観の信頼は、形式的には、未だに保護されたまま流通している。このキャラは実質的には雪歩ではないのですが、形式的には雪歩です。私はこの雪歩が「雪歩であってほしくない」と思うのですが、どこまで行っても、腹立たしいほどに、このキャラは「雪歩」です!

 手形の外観を保護するのは、手形の所持人が、その手形の向こうにある「実質的権利」などに左右されたくないからです。手形の外観を信じたら、その通りのモノがほしい。
 けれども、この動画を見ていると、外観なんてどうでもいいから、仮面の向こうを見たくなります。普段はキャラの「仮面の向こう」なんて、興味もないし、見たくもないんですけどねw

 たとえ手形に100万円と書いてあっても、その通り100万円貰うことが、本当に必要なのか。
 どんな時も、無理に「権利行使」する必要は、必ずしもないのかもしれない。
 そんなことを考えてしまいます。
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どうも、無免許Pです。いつもありがとうございます。

>随分と主人公が落ち着いてきて、
正直どうしようかなぁ、と思ったんですけどね。
実際ゲームとか空想なモノに普段から触れているから、
なんとなく納得できた、みたいな感じなんでしょうかね。

>普段はキャラの「仮面の向こう」なんて、興味もないし、見たくもないんですけどねw
毎度の事ながら、視聴者置いてけぼりな部分が多々ありますが、
最初からP=視聴者でもないですし、別に知らなくても良い部分、
雪歩っぽい人が話してる程度で良いんですけどね。
やらないとストーリーになりませんけどw

>無免許Pは、この「長時間後ろ向きのキャラ」という表現をよく使います。
なんででしょうねw 思い当たるモノだとすると、対話相手はPじゃない、とかだと思います。
一人語りの要素っぽい気がしないでもないですが。
いや、個人的に好きなんですけどね背中。色々人間が詰まっている感じで。

わりと、帰結は空にあったりするっぽいですけどね。歌とかアレとか。


そんな感じで、ご視聴ご紹介ありがとうございました。
気が向いたら、またご視聴ください。おつかれさまでした。
無免許P | URL | 2010/10/23/Sat 21:35 [編集]
 こんにちは! 今回も楽しませていただきました。

>いや、個人的に好きなんですけどね背中。色々人間が詰まっている感じで。
 これは無免許P独特の表現で、かなり好きですねー。
 いや、アイマスというのは、アイドルとプレイヤーが向きあうのが基本のゲームですからね。それを考えると、後ろ向きというのは深い意味もありそうです。

 今回は、かなり独特の雰囲気も出てて良かったと思います。なんというか、まさに「異世界」でしたね。どんな架空戦記よりも異世界だったと思いますw
 次回もかなり期待して待ってますので、これからもよろしくお願いします!
gase2(雅雪P) | URL | 2010/10/23/Sat 21:46 [編集]
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