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止まったまま動け 能の美と日本のアニメ
 昨日劇場でエヴァ破を見ていて思ったことがあるので、書いておきます。
 かつて能を習っていた私ですが、能の美しさが一番よく分かる媒体は、実は動画ではなく、写真だと思っています。
 能楽堂の廊下の壁なんかには、よくポスターとして大判の写真が飾ってあったりするのですが、正直、能そのものを鑑賞するより、写真を見てるほうが綺麗だなと思うことが多いです。これは実際に見比べてもらった方がいいかも知れませんね。結構、同意してくださる方はいると思います。
 要するに能というのは、静止しているほうが美しいんですね。
 そこで思い当たったのは、能のハコビ・・・いわゆる「すり足」です。能を知らない人にも有名な、あのすべるように移動するアレですね。
 これは完全に私の憶測なんですが、あのすり足というのは、静止した時の美しさを保ったまま移動するために生まれたのではないかと思っています。

 日本のアニメを見て、外国人が一番驚くのが、「どのコマで止めてもキャラが可愛い」ことだそうです。
 欧米のアニメというのは、「動き」を重視し、勢いのある動きを描くために、コマの途中で結構キャラが変形していたりします。胴が伸びていたり、手が変な方向に折れていたりするわけです。
 それに対して日本のアニメは、1コマ1コマを完成された「絵」としてとらえ、あくまで完結した絵の連続がアニメだと見ているところがあるように思います。
 ここが能に似てるな、と思って映画を見ていたんですね。

 日本のアニメや能のような美のことを、評論の世界ではよく「動中静(どうちゅうせい)」と呼びます。文字通り、「動」である時にも、「静」・・・つまり止まっているということです。
 あくまで「動き」にこだわる西洋に対して、止まった時が一番美しいなら、止めたまま動かそうぜという逆転の発想が、日本独特の文化なのではないかなと思っています。

 ***

 話は変わってアイマスのことなんですが、紙芝居用にろだスレから抜き絵を落としてきたのですが、その美しさにはため息が出ますね。一つ一つのモデリング、表情、すべてが素晴らしいです。キャラごとに眉毛の動きなども、別々に作っているんですよね。この表情をつけた人は本物の職人・・・というか達人だと思います。
 ただこういう風に、動いているはずのキャラクターを止めただけで「絵」になるというのは、先述の「動中静」的な美的感覚が作り手になかったら出来なかったかもな、と思います。
 もちろん、ゲームやアニメを作っている人たちは、少しも「日本伝統の美を受け継ごう」などとは思わなかったはずです。
 でも、彼らが作ったものは、確実に「日本の美」を受け継いでいると思うのです。

 今、政府が漫画やアニメに大金を注ぎ込もうという動きがあるそうですが、私は反対です。それは江戸期の能の再現にしかならないでしょう。国から金をもらってやったら、国のために作ってしまうんですね。大衆に向けて作らなくなってしまう。
 現在一番元気な伝統芸能は能でしょうけど、能は国から補助金を受け取っていません。それは元気だからいらないのかもしれませんが、しかし、受け取り始めたら終わりでしょうね。誰も見なくなっても、面白くなくても、金だけはもらえる。そういう「生ける屍」にならないよう、文化は注意して育てないといけないのです。

 ゲームにしてもアニメにしても、それからニコマスにしても、純粋に大衆のためを思って作品が作られている今が、やはり絶頂だと思います。
 文化がいつか衰退するのは仕方のないことなんですが、人為的に殺してしまわないように、この自由な環境を維持していきたいですね。
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